どこかへ出かけたい


桜の時期は終わったが、野山の緑が潤いを増し、菜の花や蒲公英の黄色が混じって色鮮やかな季節到来である。また、もうすぐ向日葵や朝顔の季節がやってくる。そして、我が家の裏を流れる川には例年通り大量の鯉が登ってきているし、カメたちの動きも活発だ。そこに渡り鳥たちも加わって、土手を散歩するのは飽きないし楽しいのである。途中には小さな神社もあって、これからはそこの木陰が気持ち良さそうだ。
最近ニュースで中国のことを毎日のように流しているが、そこでプレ・オリンピックなるものの映像を見た。なんだあの空気の悪さは。晴れていても太陽が直視できるほど、スモッグの層が汚く厚い。北京の人たちは青空を見ることはあるのだろうか。あんな土地で造られた食品や精密機械は買う気が失せてしまうぐらい空気が汚れている、なんともいい加減な国だ。
それを考えると、魚が産卵のために遡上してくる川が近くにあるなんて幸せなことなのである。

これからは、緑を求めて水辺を求めての撮影の時期に入ってくる。『素顔のままで』のロケはまさにそれである。べつに計画を立てていなくても、勝手に引き寄せられるようにそうなってしまうのだ。
晩秋から冬にかけての早朝の光も好きだが、梅雨までのこの時期の空気感は嫌いな人はいないだろう。

そうなると、やっぱりよく走るクルマが欲しくなってくる。今は場ツナギのクルマで我慢している私だが、遠出する気が失せるようなポンコツであるから、いくらレカロのシートに換えていても、精神的にも肉体的にもストレスが溜まるのである。
だからと言って、快適なクラウンなどにはまったく興味がない私であり、快適性が犠牲になってでも走りを重視したいのだ。それでいて、長時間乗っても腰のあたりが痛くならないのがいいのだ。その辺は、平均身長が180cmのドイツのクルマが私にはぴったりなのだ。
そのドイツ車の四天王の中から選ぶつもりであるが、それはベンツ、BMW、ポルシェ、アウディである。さらに、それらの中でも順に、AMG、911、Mシリーズ、Sシリーズしか眼中にないのだから大変である。
この5種類の中で、欲しい優先順位がこの半年の間に何度入れ替わったことか。ベンツは過去に所有していたこともあって、下位に低迷しているが、他の3種類はちょっとしたきっかけで首位が入れ替わる状態である。
そして、今はアウディのS4かS6が気に入っているのである。過去に一度も4駆に乗ったことがないのも興味をそそられる要因になっている。また、A4、A6などの普及車とちがって、S4、S6は見た目は殆ど同じなのだが、さりげなく醸し出す雰囲気がなんともいいのだ。それに関しては、BMWのM3も同じで320などと並べると、明らかに迫力が違う。
しかし、ポルシェ以外はクルマにそれほど興味のない人にとっては、巷に溢れている今の時代では珍しくもないガイシャに見えるだろう。しかし、パワーではポルシェをも凌いでいるだから、いい感じじゃないか。
リア・エンジンの911も興味はあるし、M3のレーシング・エンジンとハンドリングも捨てがたい。当然それらは欲しい度が高まった時にかなり調べたし、今はS4&S6熱が高まっている時期である。
いくら、この4台が高性能であると言っても、最新の日本車に速さだけではかなわないだろう。もう、飛びぬけた存在ではなくなったということだろうが、設計のしっかり感が私のドイツ車のイメージとして抜けきらないのである。
トヨタや日産は確かにいいクルマを造ると認めるが、レースに参戦してこれだけ勝てないのはどういうことだろう。欧州車に比べて何かが足りないのは間違いのないところだ。トヨタなんて何年F−1やってるんだ?
そう言いながら、私も過去にはチューニングしたトヨタや日産のクルマでフェラーリを追い詰め抜き去ることを楽しみにしていた。しかし、今は日本のTURBO車で無理矢理パワーを出すのではなく、素のエンジンでしっかりしたドイツ車を感じたいのである。それは、キヤノンからニコンにデジタルになってから切り替えたのと、どこか共通点があるのかもしれない。しかし、そこでライカにすれば?ってのは受け付けられない注文だ。


<−戻る